大腸がんと転移し易い臓器
大腸がんは、肝臓や肺、リンパ節、腹膜などに転移しやすい臓器です。
大腸がんが転移しやすい理由としては、次のようなものがあります。
・肝臓への転移:大腸や他の消化管から流れる血液は「門脈」(※)という1本の血管に集まり、肝臓に運ばれます。
この血液の中に大腸がんの細胞が含まれ、肝臓で生着すると転移性肝臓がんになります。
・肺への転移:肝臓に集まった血液は肺に運ばれ、二酸化炭素と酸素の交換が行われます。
このため、肺への転移も起きやすくなります。
・腹膜播種:がんが大腸壁の外側に出てきた場合に、そこからがん細胞が腹腔内に散らばって、腹膜などに生じる転移です。
大腸がんは、徐々に大きく、深くなり(「浸潤」といいます)、リンパ節や他の臓器に“飛び火”をおこすようになります
(「転移」と いいます)。
放っておくと徐々にがんが全身に広がってしまうため、早期発見・早期治療が大切です。
(※)「門脈」
門脈 (概略図)
門脈(もんみゃく)は、胃や小腸、大腸、膵臓、脾臓などの消化器から肝臓に血液を運ぶ静脈で、 肝臓の最も重要な血管の一つです。
門脈は、肝臓に流入する血液の約70%を占めており、消化管で吸収された栄養素や、 膵臓で作られたインスリンなどのホルモン、脾臓から排出された分解物などを肝臓に運んでいます。
大腸がん 転移先別治療法選択一覧表