慢性腎臓病と水素ガス(加熱方式)吸入療法

慢性腎臓病と水素ガス(加熱方式)吸入療法

 透析患者における水素吸引の効果については、いくつかの研究が行われており、

 特に酸化ストレスと炎症の軽減に関して注目されています。

 水素吸引と透析患者、腎臓、炎症に関する現状

 ・酸化ストレスと炎症の軽減: 透析患者は慢性的に酸化ストレスが高い状態にあります。

 これが炎症反応を亢進させ、様々な合併症の原因となると指摘されています。

 水素ガス吸入が透析患者の酸化ストレスを低減させ、炎症マーカーであるCRP(C反応性タンパク質)の減少が報告された研究があります。

 ・腎臓保護作用の可能性 : 水素の抗酸化作用は、腎臓病の進展に関わる過剰な活性酸素や炎症を抑制する可能性が示唆されています。

 動物実験では、水素吸入が腎臓結石の予防や、腎臓へのダメージ(虚血再灌流障害、慢性間欠的低酸素による腎障害など)

 を軽減する効果が報告されています。

 また、腎臓がんのリスクを低減する可能性(🔗)も示唆されています。

 ・作用機序 : 水素は、体内で最も有害な活性酸素種とされるヒドロキシラジカルを選択的に除去する抗酸化作用を持つと考えられています。

 また、細胞内のミトコンドリア機能の改善、抗炎症作用、細胞死の制御作用、細胞内情報伝達の制御作用などが

 複合的に関与している可能性が示唆されています。

 ・透析との関連 : 水素ガスを溶かした透析液を使用することで、全身の酸化ストレス指標が有意に低下したという研究報告もあります。

 透析中の水素ガス吸入によって、酸化ストレスとCRPが減少したという小規模な臨床研究も存在します。

 ・今後の課題 : 現時点では、水素吸入が腎臓病全体の予防やサポート治療に直接的に効果的であると断言するには、

 さらなる大規模な臨床研究が必要です。

 特に、様々な腎臓病の病態ごとに有効性を検討していく必要があります。

 まとめ

 水素吸引は、透析患者の酸化ストレスや炎症を軽減する可能性が示されており、

 腎臓保護作用についても期待が寄せられています。

 ただし、まだ研究段階であり、確立された治療法として広く推奨されるにはさらなるエビデンスの蓄積が必要です。

 透析患者の方が水素吸引を検討される場合は、必ず担当の医師と相談し、

 現在の病状や治療計画との兼ね合いを考慮することが重要と考えられます。

 

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