慢性閉塞性肺疾患(COPD)への水素吸入(加熱式)療法の効果
水素ガス吸入療法は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者の気道の炎症を軽減する効果があると報告されています。
水素は、悪玉活性酸素であるヒドロキシルラジカル(・OH)と反応して無毒化し、肺組織の病理学的変化を改善する可能性が示されています。
また、急性呼吸促迫症候群(ARDS)への長期的な水素ガス吸入は、慢性期の呼吸機能低下を緩和する可能性も示唆されています。
水素ガス(加熱式)吸入療法では、空気と一緒に 2% の水素ガスを鼻から吸引します。吸入には経鼻チューブかマスクを使用し、
経鼻チューブの場合は会話や食事の妨げにならず、マスクタイプは吸入できる濃度が高いのが特徴です。
水素ガス吸入による副作用は現在のところ報告されておらず、過剰に吸っても悪玉活性酸素と反応して無害な水に変換されるほか、
皮膚や髪の毛として体外に抜け出るため心配はありません。
また、水素そのものに副作用はないという論文も発表されています。
水素ガス吸入療法は補助的な治療法であり、これまでの薬剤による治療を突然中止すると状態が悪化することがあります。
効果が現れた時点で、医師の診断により、これまでの薬剤量を徐々に減量し、最終的に中止することが理想です。
健康支援センター博多