水素ガス吸引療法
水素ガス吸入療法で2%濃度の水素ガスを使用している医療機関には、慶應義塾大学病院などがあります。
慶應義塾大学病院では、院外で心停止した成人患者で、自己心拍が再開した後も昏睡状態が続く患者を対象に、
集中治療室で18時間、2% 水素添加酸素を人工呼吸器下に吸入する試験を行っています。
水素ガス吸入療法は、心停止後症候群に先進医療として認定されており、
心肺停止後に救急蘇生術までに脳や臓器の機能が損傷し、後遺症が発生する可能性がある場合に用いられます。
従来は低体温療法が用いられていましたが、水素ガスを酸素に加えて吸引することでダメージを軽減する治療として臨床の現場で活用され、現在は治験も終了し保険適用待ちの状態です。
水素ガス吸入療法では、通常2%濃度の水素ガスを酸素と一緒に鼻から吸引します。
水素ガスは過剰に吸っても、悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)と反応して無害な水に変換されるほか、皮膚や髪の毛として体外に抜け出るため心配はありません。
また、水素分子そのものに副作用はないという論文も発表されています。
健康支援センター博多