筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけます。その結果、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通です。
患者さんはどのくらいいるのですか
1年間でこの病気にかかる人は人口10万人当たり約1-2.5人です。全国では、平成25年度の特定疾患医療受給者数によると約9,200人がこの病気を患っています。
男女比は男性が女性に比べて1.2-1.3倍であり、男性に多く認めます。この病気は中年以降いずれの年齢の人でもかかることがありますが、最もかかりやすい年齢層は60~70歳台です。まれにもっと若い世代での発症もあります。
病気の原因
原因は不明ですが、神経の老化と関連があるといわれています。さらには興奮性アミノ酸の代謝に異常があるとの学説やフリーラジカルの関与があるとの様々な学説がありますが、結論は出ていません。次の項目で説明をいたしますが、 家族性 ALSの約2割ではスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD1:抗酸化酵素)という 酵素 の遺伝子に異常が見つかっています。最近になりTDP43, FUS, optineurin, C9ORF72, SQSTM1, TUBA4Aと呼ばれる遺伝子にも異常が見つかってきており、次々に原因遺伝子が明らかになっています。
治療法
欧米における治験で、グルタミン酸拮抗剤リルゾール(商品名 リルテック)が生存期間を僅かであるが有意に延長させることが明らかにされ、1999年より本邦でも認可された。リルゾールの他にも、近年、病勢の進行を遅らせる目的で数種類の薬剤が開発され、治験進行中ないし治験計画中である。
①「水素ガス吸引療法」
「水素ガス吸引療法」は代謝能力を2.6~3.0倍上昇させることにより、エイジングに」伴う抗酸化酵素(SOD)の減少を回復させる研究結果が示されています。
②「プラズマ照射療法」
プラズマは気体を構成する分子の一部または全体 が陽イオンと電子に電離した状態を指し,個体・液 体・気体に並ぶ,物質の第4の存在状態である。
半導体加工や機能性薄膜堆積等においてプラズマ技術 は不可欠であるが,近年医療分野においても応用が 進められ,中でも,温度が室温に近い低温大気圧プラズマが生体に作用し,止血,血管新生,臓器癒着 防止,細胞増殖促進、シナプス再生などの多岐に渡る効果を示すことが報告されている。