ステロイド系抗炎症薬の副作用
医療現場で一般的に使用されるステロイド剤(steroid drug)は、炎症を鎮め、免疫を抑制する作用があります。
副作用として過剰な免疫抑制作用が発現することによる感染症(細菌、ウイルス)、クッシング症候群、
副作用の例として副腎皮質機能不全、糖新生の促進による糖尿病、骨量の減少に伴う骨粗鬆症、
消化管粘膜における消化性潰瘍などが知られている。
副作用としての感染症
ステロイド薬が白血球の機能を低下させることで、ウイルスや細菌、微生物などの外敵と戦う力が弱まり、
感染症にかかりやすくなります。
この状態は「易感染」と呼ばれ、コロナウイルス(covid-19)、インフルエンザ、肺炎、結核などがあります。
ステロイド薬の量が多くなるほど、感染症が起こりやすくなります。
発熱、咳、息切れ、頻脈などの症状でわかります。
自覚症状があれば早めに担当医に伝えることが大事です。
しかし、気管支喘息においてステロイドを吸入で用いた場合にはステロイド剤は呼吸器系の組織に局所的に作用し、
血中移行する量が少ないため副作用がやや少ない、とされています。
糖 尿 病
ステロイド薬を大量に投与してから2~3ヶ月後に現れることがあり、ステロイド糖尿病といいます。
血糖値を下げる働きがあるインスリンの作用を阻害するために、血糖値が高くなります。
日中の血糖値が高く、夕食後はあまり上がりません。また、空腹時には正常という特徴もあります。
予防や対処法は、ふつうの糖尿病と同じく、食事療法や運動療法が有効です。
インスリンを投与する方法もあります。医師の指示にしたがって行動してください。
また、糖尿病の遺伝的素因がない人は、服用量が減るにつれて糖尿病も改善されます。
しかし、遺伝的素因がある人は、真性の糖尿病になるので、インスリン治療を続けていく場合があります。
高 血 圧
ステロイド薬の投与後、数日から数週間で高血圧がみられる場合があります。
これは、血液中のナトリウムを増やす作用の影響で、血圧を高めてしまうためです。
治療には通常降圧薬を使用します。
他の副作用としては
・脂質異常症
・精神症状
・白内障
・緑内障
・胃腸障害
・骨粗鬆症
等が認められます。
市販されている代表的な内服薬としてのステロイド剤
・プレドニゾロン プレドニン
・メチルプレドニゾロン メドロール
・デキサメタゾン デカドロン
・ベタメタゾン リンデロン
尚、適用形態としては、ステロイド内服薬、ステロイド外用薬、点滴、点眼薬などがあります。
ステロイド薬は体に蓄積されていきますが、水素はステロイド蓄積成分を排出することが報告されています。