ビタミンの抗酸化システムと水素の関係
老化の主たる原因は『酸化:さびる』です。
なかでも「細胞膜の酸化」は細胞内外の物質輸送(水や栄養、内外毒素など)の妨げとなり、
細胞の営みを停止させます。
イメージでいうならば、玄関の扉が錆び付いて動かなくなると、家の中に何も入れられず、
家の中で発生したゴミも出せない状態。
「酸化劣化の問題点=細胞膜の酸化劣化」といっても良いと思います。
そのため、我々の身体は「細胞膜を酸化から守る」「酸化した細胞膜を還元する」
というシステムを持っています。
話を少し戻し「酸化とは何か?」を知る必要があります。
酸化とは
*物質から電子が奪われる
*物質から水素が奪われる
*物質に酸素が化合する
という反応のことをいいます。
よって還元とは
*物質に電子を与える
*物質に水素を与える
*物質から酸素を引き離す
という反応のことをいいます。
図にあるように、細胞膜は「脂質:LH」で出来ています。
その脂質が、何らかの原因で酸化を引き起こすと、
この脂質酸化がドミノのように連鎖し、隣り合う脂質を酸化してゆきます。
この『酸化のドミノ』をとめるために、ビタミンEが作用します。
この「作用する」とは『電子を与える』ということです。
この脂質の主な抗酸化システムは『ビタミンE』です。
電子を与えたビタミンEは「自らが酸化(電子を失う)ことによって、
相手を還元している」ということです。
他にも数多くの「脂溶性抗酸化物質」がありますが、これらもまったく同じシステムです。
電子を失ったビタミンEは、細胞膜上の『ビタミンC』によって再還元されます。
ここでも同じように『ビタミンEはビタミンCから電子をもらう』ことによって還元されますが、
「ビタミンCは自らが酸化(電子を失う)ことによって、ビタミンEを還元している」
ということになります。
なぜこのような複雑な経路を取るかというと『脂溶性物質は体内の出入りが困難』であるからです。
その逆「水溶性物質」は血液→尿、汗などによって簡単に排泄されます。
細胞膜に存在するビタミンEは、そう簡単には出てゆきません。
たとえ酸化しても、酸化した形で細胞膜に存在し続けます。
他の脂溶性抗酸化物質でも同じで、『脂質の部分に長期間留まる』というのが特徴です。
では本題である『水素がどのように作用するか?』です。
水素は『水素そのもの』です。
よって水素の作用は
*脂質ないで発生した活性酸素(LO・)に直接電子を与える
*酸化したビタミンEに直接電子を与える
*酸化したビタミンCに電子を与える
のです。
水素は「活性酸素を除去する」だけでなく「体内の重要な抗酸化物質を再還元する」
ということが可能であるため、『他の多くの抗酸化治療とのマッチングに優れる』という特徴があります。
*CoQ10
*ルテイン
*アスタキサンチン
*ピクノジェノール
*多くのフラボノイド
などの優れた抗酸化物質も、使われれば酸化してしまいますが、これらを再還元できるのが水素です。
よって、多くの抗酸化物質治療の効果が大変高くなることが臨床上わかっています。
当院においても、
*低濃度ビタミンC点滴療法
*グルタチオン点滴療法
*αリポ酸点滴療法
といった「抗酸化物質を使った治療」の効果が『水素混合』によって格段に高くなることがわかっています。
今後、このような『水素の優れた作用』がさらなる広がりを見せてくる事でしょう。