水素ガス吸入療法を先進医療Bから取り下げた理由
水素ガス吸入療法は、厚生労働省が先進医療Bとして認定していた治療法でしたが、2022年3月に取り下げられました。
水素ガス吸入療法は、水素ガスと酸素を同時に吸引することで体内に取り込む治療法です。
水素には活性酸素の中で最も悪玉な活性酸素ヒドロキシラジカルを消去する抗酸化作用があり、
がんの進行抑制や副作用の軽減、がんになりにくい体質を目指す治療として期待されていました。
また、心肺停止症候群に対して後遺症の軽減に繋がる可能性も期待されていました。
水素ガス吸入療法は、世界に先駆けて2016年12月1日に厚生労働省が先進医療Bとして認可
(慶應義塾大学医学部の治験:第2相臨床試験の有効性確認)されましたが、 2022年3月に取り下げられました。
取り下げの理由は、新型コロナウイルスの流行により救急医療がひっ迫していたこと、
面会の制限による同意書取得の困難さ、救急蘇生の治療上の変化などによる研究対象患者の組み入れが困難だったことです。
今後は第3相臨床試験へと進みその後保険適用についての評価が行われることになると思われます。
現在、他の医療機関や日本先進医療臨床研究会などでも水素導入の臨床試験が実施されており、
一般の医療機関でも自由診療として水素吸入を取り入れているクリニックが増えています。